Atrophaneura aristolochiaeベニモンアゲハ

ベニモンアゲハ　学名：Atrophaneura aristolochiae (アトロファネウラ　アリストロキアエ)

東南アジアの熱帯地域を中心に通年見られます。後翅外縁の赤紋列と後翅中央の白紋列が特徴です。ジャコウアゲハAtrophaneura alcinous同様に体内に毒素を蓄積しているので、シロオビアゲハPapilio polytesなどが擬態の対象にしていますが、頭部から腹部にかけて体側に赤色があるので区別できます。♂の前翅は幅が狭く細長いのに対して、♀の前翅は幅が広く丸みを帯びています。日本でははじめ迷蝶でしたが、分布を拡大して1990年台には沖縄島に定着し、以後も温暖化などの影響で北上を続けています。

分布distribution : スリランカ、インド～中国、琉球、スンダランド～フィリピン、小スンダ島 Sri Lanka, India - C.China, Riu Kiu, Sundaland - Philippines, Lesser Sunda Is.

亜種spp : aristolochiae（インドIndia）　camorta (Nicobar Is.)　ceylonica（セイロンCeylon）　austrosundanus (Sumbawa)　lombockensis (Lombock)　antiphulus (Jolo I.)　interpositus（台湾Taiwan、フィリピンPhilippines）　asteris（マレー半島・シンガポールPeninsular Malaya, Singapore）　goniopeltis（ビルマ・タイBurma, Thailand）　adaeus（中国China）　floresianus (Flores)　mamilius (Engano)　balinus（バリ島Bali）　antissa (Kangean Is.)　kameiros (Nias)　poseidippus (Basilan)　probus (Bawean)　sawi (Nicobar Is.)　kondulana (Nicobars)
食草food plant : 　Aristolochia sp ウマノスズクサ属

メモmemo : 日本産は台湾と同じ亜種(interposita)です。東南アジア諸国でたくさんの亜種に分かれているようです。シロオビアゲハのメスが本種に擬態した場合、後翅中央に白紋列の他に、白紋が中室付近に1つあるので区別できます。マレーシアで出会ったものは別亜種（asteris）で、確かに、後翅裏の赤紋が小さかったり、白紋列の長さが均一だったりの違いがあるように思えます。　

2018年7月2日　台湾牛伯伯安康胡蝶園Ankang Ecology Park　Taiwan